『検察が危ない』、そして「登録政治資金監査人制度」。

  • 2010.05.08 Saturday
  • 20:51
4月に出たばかりの、
元東京地検検事、郷原信郎氏による新書;
『検察が危ない』
が本屋に並んでいたので早速購入してきて半分程度読み終えた。


検察が危ない (ベスト新書)
検察が危ない (ベスト新書)
郷原 信郎


郷原氏は、
メディアとそれに乗せられたアホな国民がヒステリックなまでに
「反小沢」
の声(悲鳴か?)を上げる中、

「おかしいんじゃないか!?」

という立場で論評されてきた。
読まない訳にいかないのである。

こんなことを書くと、

「じゃあ、小沢一郎代議士のやったことは許されるのか!?」

とこれまた非難の嵐に遭いそうだが、
郷原氏は(ついでに私も)そんなことを仰っているわけではない。

現行政治資金規正法に照らし合わせれば、
検察のやり方は少々、いや、あまりにもやり過ぎじゃないのか!?

と指摘されているのだと理解する。
郷原氏のご指摘はこの新書を読んでいただくことにして、

私の場合、
現実に、従前の政治資金規正法の枠組みの中で、
「政治資金収支報告書」
を作成してきた者として、
非常に違和感を抱いてきたのが事実である。

単なる「お小遣い帳」レヴェルの内容しか要求していない、
政治資金収支報告書を規定する現行法の下で、
あそこまで追及できるのか?

という素朴な疑問程度の違和感であるが。

(複式簿記を前提に考えると判断を誤ってしまうのご注意のほどを!)

民主党のいい加減さはよくわかっているし、別に小沢代議士のすべてを認めているわけではないが、

「ちょっと酷いんじゃないか!」

という違和感である。

むしろ、
ぽっぽ総理のママからの小遣いに対する判断の方が、
大いにアマイんじゃないかと思うのだが。

関与先にあんなことがあったら大変なことになっているぞ!
牙を剥いてかかってくること間違いなし!!

この考えに「違和感」を持たれた方は是非ともお読みいただきたい。
私の拙い文章でご理解いただこうとしても無理な話であるから。

ところで、
以前にもご紹介した、税理士等による

「登録政治資金監査人」

制度、
最終的に総務省の研修を受けて初めて「監査」を行うことができる。
この総務省研修、
鹿児島県内で最初に修了したのは不肖窪田である。

このブログではなくサイトの方であるが、
PC上では総務省の研修以前に「政治資金監査」向けに作り変えてある。
でも公開するのはヤメにした。

監査とは名ばかりの監査だからである。
「領収証」と「お小遣い帳」の該当箇所を照らし合わせて(突合と言う)、

「合ってますよ!」

「領収証が残ってないからその旨文章にしておきましょうね!」

と、
これで監査と言えるのか!?
と甚だ疑問を感じたからである。

何が悲しくてそんなことをやらなくちゃならない!?

利口な秘書なら、
例えば私みたいな者だが、(爆)
人のイイ税理士なんて簡単に騙せそうだ!!(再爆)

というわけで、
こんなんで、
後でいろいろ発覚して、
メディアの攻撃に晒され、オマケに(思考能力停止状態の)人々の罵声でも浴びせられ、

結果として、
資格剥奪!とまではいかないまでも、
関与先に離れて行かれ、お飯の食い上げにでもなってしまったら、
(田舎で他に暮らす術を持たない私にとって)
非常に困った事態に陥ってしまうことは目に見えているではないか!

てなわけで、
政治資金監査の依頼は受けないことにした。
まあ、
内情に精通した者を雇うとは思わないけどね、マトモな議員や秘書だったら。

我ながら、
かなり悲観的かつエキセントリックな見方ではあるけれども、
まあ、それが主たる理由だ。

日税連は、
機会あるごとに「登録政治資金監査人」の登録を会員税理士に勧めて来たけれども、
不測の際の国民の批判に対する手立てはちゃんと考えているんだろうか?

と、
会長選挙や税理士事務所の看板記載事項で不快な思い、
というか、
不信感を抱いたしまった私は、
ついつい余計な心配までしてしまうのである。

どうのこうの言っても、
日税連の会員ではないけど、税理士ではあるからね。

税理士に不利益をもたらす事態の到来は、
なんとしても避けたいところだ。




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また、
余計なことを思い出してしまった。笑)

李下に冠を正さず

という諺がある。

これとはちょっとハズレルのだが、
日税連は税理士と公認会計士の相互参入に反対しているそうだ。

まあ、
ホンネは現在望めば可能な、
会計士の税理士登録(と弁護士の税理士登録)を認めている税理士法条項の削除であろう。

私は相互参入大賛成である。
このハナシはいずれまたということにして(本当にやります)、

家族は会計士で税理士も登録、(税理士試験にも合格していたらゴメンナサイである)
事務所の看板に「税理士事務所」の記載なし。

なんだかね〜

わかる方にはわかると思うのでこれで終了。

検察 VS 小沢一郎

  • 2010.02.05 Friday
  • 18:38
小沢さん、
予想通り、不起訴となりましたね。
不起訴の理由は本日の新聞に掲載されているので皆様ご存知のはず。
というわけで省略。

ただ、不起訴は予想していましたが、
起訴された場合のことも想定していました。
そう、
いわゆる「指揮権発動」のことです。

以下は、
1/20に書いた下書きの一部です。

------------------------------------------------------------

まずは、本日(1/20)の「ごまめの歯ぎしり」をご覧あれ。

......ごまめの歯ぎしり メールマガジン版......
       衆議院議員 河野太郎の国会日記
=======================================
オヤジに用があって小田原に行ったら、君はこういうものを読んだ
ことがあるかと、すり切れた古い新聞の切り抜きをコピーしてくれ
た。

『新生党に問う

羽田新党とは何か。あなた方は要するに経世会の分裂した片割れで
はないか。経世会とは何か。要するに旧田中派ではないか。田中派
とは何か。五億円収賄犯・田中角栄をかついで、日本の政治を十年
余りにわたって目茶苦茶にしてきた徒党ではないか。党外の刑事被
告人を領袖とあおぎ、天才政治家とあがめ、田中が右といえば右、
左といえば左に動いて、日本の総理大臣の首を次々にすげかえ、数
の力であらゆる道理を踏みにじってきた、政治腐敗の元凶のような
集団ではないか。あなた方はその中核だったではないか。

田中が病気に倒れると、看板を経世会とかけかえただけで、田中派
時代と同じように、金の力と数の力で政治を支配し、権力のうま味
を思う存分吸い取ってきたのが、あなた方ではなかったか。

あなた方のつくったそうした政治構造が、リクルート事件を生み、
佐川事件を生み、金丸事件を生んだのではなかったか。今や政治腐
敗の代名詞となった竹下・金丸は、あなた方の大親分ではなかった
か。ついこの間まで大親分の集めた黒い金を喜んでもらっていたの
は誰なのか。

政治改革という錦の御旗を振り回していれば、そういう恥ずべき過
去をみんな忘れてくれるとでも思っているのだろうか。

いま必要なのは、政治改革よりあなた方の人間性改革だろう。その
第一歩は、日本の政治を破壊し腐敗させてきたのは自分たちである
と正直に認め、懺悔し、反省することである。

自分たちの過去にけじめもつけずに、何が新生だ。ちゃんちゃらお
かしい。

立花隆』
=======================================


              中略

さて、このところ、
いわゆる「指揮権発動」の文字が目に付くようになった。

asahi.com
小沢氏問題 首相「指揮権発動せぬ」代表質問で答弁

MSN産経ニュース
千葉法相、指揮権発動否定せず 小沢氏土地疑惑事件

YOMIURI ONLINE
「指揮権発動、一般論としてある」…千葉法相

いわゆる指揮権発動は過去に一度だけなされたことがある。

1954年4月21日、
(保守合同により自由民主党が誕生する1年前である)
造船疑獄事件に絡み、
犬養健法務大臣(吉田内閣)は佐藤栄作自由党幹事長(当時)の逮捕を通常国会会期終了まで延期させた。

ここで注意すべきは、逮捕を「延期」させたのであって、「中止」させたわけではない、点である。
ここらがけっこう誤解されているように思われる。
ただ、会期終了後、「延期」要請(命令)は撤回されたのであるが、
なぜか、佐藤幹事長は逮捕されることはなかった。

この点につき、
手詰まり感のあった検察側の要請で「指揮権発動」がなされた、
というハナシがあるが真偽のほどは不明である。

で、メディアが騒いでいる指揮権発動のことだが、
条文も確認せずに想像上であれこれ論じているように思えないこともない。

じゃあ、条文は?
ということでここでご紹介しておきたい。

検察庁法
第14条 法務大臣は、第4条及び第6条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。

これが、いわゆる、
「指揮権発動」を定めた条文である。

法務大臣は個々の事件の取調又は処分については検事総長のみを指揮することができる

あとは、条文の解釈次第である。
知識が不確かなのでこれ以上はご説明できない。
まあ、この条文をよ〜くお読みいただけたらと願う次第である。

なお、4条、6条は以下のとおり。

第4条 検察官は、刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求し、且つ、裁判の執行を監督し、又、裁判所の権限に属するその他の事項についても職務上必要と認めるときは、裁判所に、通知を求め、又は意見を述べ、又、公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行う。

第6条 検察官は、いかなる犯罪についても捜査をすることができる。
 2 検察官と他の法令により捜査の職権を有する者との関係は、刑事訴訟法の定めるところによる。

------------------------------------------------------------

さて、当面、小沢一郎代議士の起訴は無くなったと思います。
しかしながら、
同代議士を追求している市民団体が存在することを忘れるわけにはいきません。
おそらく、
検察審査会に審査を請求することと考えられます。

というわけで、次回は、
改正検察審査会法をチェックしてみようと思います。




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政治資金問題第三者委員会報告書を読む。

  • 2009.06.17 Wednesday
  • 11:27
6月10日に、
政治資金問題を巡る政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会報告書」(PDF52頁)が公表された。

これは民主党が設置した、
民主党から独立した「政治資金問題第三者委員会」が作成したものである。
お断りしておくが、
私は民主党の回し者ではない、念のため。

この報告書に関してメディアの論調は以下のとおりであった。

NIKKEI NET
民主、西松事件「捜査に疑念」第三者委が報告書(6/10 23:53)

YOMIURI ONLINE
民主「西松」報告 検察・報道批判は的はずれだ(6月11日付・読売社説)(2009年6月11日01時51分 読売新聞)

これが第三者委員会の名に値する公正な報告なのか。はなはだ疑問と言わざるを得ない。

毎日jp
民主党:党の危機管理の甘さを指摘 報告書で第三者委員会
(毎日新聞 2009年6月10日 22時00分(最終更新 6月11日 0時38分))

MSN産経ニュース
「西松事件、検察捜査に多くの疑念」民主の第三者委が報告書(2009.6.10 18:57) 

報告書に関するブログ等には、以下のものがあった。
探せば他にもあると思われる。

たむたむの自民党VS民主党「民主党の第三者委員会報告書の問題点」

植草一秀の『知られざる真実』「民主党第三者委員会報告の限界を克服する方策」

カナダde日本語

で、最後に、
今朝の「日経ビジネスONLINE」の記事をご紹介したい。
(無料会員にならないと読めないかもしれない)

「法務大臣の指揮権」を巡る思考停止からの脱却を
造船疑獄指揮権発動は「検察の威信」を守るための策略だった


著者は、
郷原信郎名城大学教授
略歴は、
1955年島根県生まれ。東京大学理学部卒。東京地検特捜部、長崎地検次席検事、桐蔭横浜大学教授などを経て、 2009年から現職。「不二家問題」(信頼回復対策会議議長)、「和歌山県談合事件」(公共調達検討委員会委員長)など、官庁や企業の不祥事に関与。
とのことである。

そう、上で紹介したサイトをご覧になった方はすぐにお分かりいただけたかと思う。
政治資金問題第三者委員会のメンバーである。

で、お前の意見は?

という質問に対しては、
回答は、今回は遠慮させていただくことにしたい。

なんせ私は、
今は、
税理士なんだから(笑)

これぐらい自分で考えましょうね!ラブ



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郷原信郎教授が紹介されていた『指揮権発動』はこちら。

指揮権発動―造船疑獄と戦後検察の確立
指揮権発動―造船疑獄と戦後検察の確立
渡辺 文幸

「登録政治資金監査人」

  • 2008.02.26 Tuesday
  • 21:20
制度のスケジュールがようやく公表されました。

総務省
なるほど!政治資金 改正政治資金規正法のポイント
で見ることができます。

「関東信越税理士会報」1月15日号の「会長月信」で「登録政治資金監査人」のことが触れられていますが、
どうでしょうか、皆さん(弁護士、公認会計士、税理士)やりたがるでしょうか?

単に領収証をチェックするぐらいならどうってことはないと思いますが、ま、いろいろありますから、止めておかれたほうが無難のような...

2月現在の「改正政治資金規正法による今後の主なスケジュール」(PDF)によりますと、
「登録政治資金監査人名簿」への「登録」は今年の6月ごろから開始される予定のようです。

そして、8月から「研修受講」が始まり、
実際の監査は、2010年(平成22年)の1月から5月末までの期間となる見込みのようです。

現行の「政治資金収支報告書」の提出期限は3月末ですから、期間が2ヶ月延びることになります。
おそらく、会計監査人(公認会計士及び監査法人)の法定監査に倣ったのではないかと考えます。

で、件の国会議員に係る関連「政治団体」の義務は、

1.「1万円超」の領収証等の「写し」の提出
2.収支報告書の「電子申請」による提出

となっています。
ここにも「電子申告」が顔を出しています。

あと、総務省及び都道府県選管が本年中に「会計帳簿作成ソフト」を開発することになっています。
「e-Tax」ソフトみたいに、使いにくいソフトにならないよう願いたいものです、なんせ国や自治体が手がけるソフトですから。
もちろん作成するのは民間ですけどね。

それにしても、ソフトを作って提供してくれるんですね。

10数年以上前に、公認会計士のK君に手伝ってもらって、
「ロータス1-2-3(DOS版)」(なつかしい!)で政治資金収支報告書作成のための会計ソフトを作ったのが、今は昔の話になってしまいました。

民間作成のソフトはあるにはありましたが、高価過ぎて手が出ませんでしたね、当時は。
いつも、秘書給与の「資金繰り」に追われている代議士事務所でしたので。

私の仕事は、「プチ」金庫番といったところでした。
「政治資金収支報告書」作成、提出後の「・・・」等、今となってはいろいろ面白いネタもありますが、
墓場まで持っていくこととしますか(笑)。

「政治資金収支報告書」を「作成」していた人間が今度は「監査」する側となったら、「いろいろわかっている」ということで
歓迎? 
それとも
忌避?

どうなんでしょうね?



やるつもりはないですけど。

収支報告書の虚偽記載、オッと訂正が目白押し!

  • 2007.09.29 Saturday
  • 16:49
本日も紹介するのが嫌になるぐらい、訂正がオンパレードですね。
ググるとこんな感じです。
時間と興味のある方はどうぞ!

政治資金 訂正 ニュース の検索結果

まあ、こんなものでしょう。
というかまだまだ出てくると思います。
要するにいかにいい加減だったか、いかに杜撰だったか、ということの現れでしょうね。

まさか政治家ご本人が収支報告書を作成されているとは思えないので、
政治家の皆さん、もっとマシな方々を秘書にされたほうがいいかもしれませんね。
余計なお世話ですが。
鹿児島県内であれば私がお手伝いしますけどどうでしょう? なんてね。
(熊本、宮崎両県まではOKかな。)

それにしても、福田総理の関係事務所における訂正;領収証の宛名を二重線で消して書き直したのはまだカワイイ方かもしれません。
というのは、収支報告書の提出期限に間に合わないからと、ホテルの領収証を偽造し、もとい、勝手に作成して提出した事務所さえありますから。

【速報】領収書を勝手に作成し提出/民主・池田議員の資金管理団体

これまで、メディアのターゲットは自民党だけに絞られているんじゃないか、偏向報道ではないかと勘ぐっていた者としては、ちょっと安心しました。
何も自民党所属の国会議員に限らないことは明白ですから、多分。

ところで、政治資金パーティが開催されたのは昨年の11月20日とのこと、その領収証が4月2日(31日は休日だったため)までに間に合わないって一体どういうことなんでしょうか?
支払はサッサと済ますはずですし、領収証の発行をホテルがサボっていたわけじゃあるまいし、紛失されたんですかね?

あと絶句したのが、

政治資金:自民県支部連の領収書、内容を打ち直し添付 受取人サインなく /岩手

要するに、収支報告書に添付する「領収証の写し」について、パソコンで独自の資料を作成してそれを添付し、選管もそれを容認しているということです。
最初よく理解できなかったです、ハァーっという感じで。

領収証の写しについて政治資金規正法は第12条2項で定めています。

第12条
 2 政治団体の会計責任者は、前項の報告書を提出するときは、同項第2号に規定する経費の支出について、総務省令で定めるところにより、領収書等の写し(領収書等を徴し難い事情があつたときは、その旨並びに当該支出の目的、金額及び年月日を記載した書面又は当該支出の目的を記載した書面並びに金融機関若しくは日本郵政公社が作成した振込み若しくは振替の明細書であつて当該支出の金額及び年月日を記載したものの写し)を併せて提出しなければならない。

確かに、条文上単に「写し」としているだけで「コピー」とは規定されていません。

政治資金規正法は領収書の「写し」を添付することを定めているが、コピーを義務付けている条文はない。県選挙管理委員会は「複写機を用いた写しという規定はなく、法解釈上は認められている」との見解だ。


でも、これって不正の温床にならない? と考えられますよね。
同記事も、

一方で、受取人のサインや印鑑はないため、支出の真偽がチェックしにくいという問題もある。同県連は「選管から指導があった場合は、(今後の方法を)考える余地がある」としている。


と結んでいます。至極もっともな指摘です。

領収証の宛名を書き換えたり、領収証の写しをコピーではなく独自に作成したり、何ともはや言葉を失います。
個人事業や法人において、調査の際にそんなものが出てきたら、課税庁(税務署等)の調査官はコレ幸いとばかりに突っ込んでくることは明白です。

いいなぁ、政治家の事務所は。
税金も払う必要はないし、領収証なんかも適当でいいし...

という声が聞こえてきそうです。
この際、すべての膿(?)を出し切って、今年度分からはしっかりした管理をしていただき、以って来年3月末には、正確かつ合法な収支報告書を作成・提出していただきたいものです。

国民の信頼を回復するために!



アメリカでの選挙資金の使途制限

  • 2007.09.28 Friday
  • 12:01
以前、
政治資金を政治家が私的に使うとそれは目的外支出行為であって課税される、逆に言うと脱税で摘発される、
みたいなことを指摘しましたが、アメリカではどうなっているのか調べたところ、法律で明確に使用可能項目と使途制限項目とが列挙されていました。

"THE FEDERAL ELECTION COMMISSION"(連邦選挙管理委員会)による"FEDERAL ELECTION CAMPAIGN LAWS"(連邦選挙運動法)がそれです。前者は正確には連邦選挙委員会と訳すべきでしょうが、耳に馴染んだ我が国の名称をここでは用います。
ただし、「選挙運動法」、実態は我が国での「政治資金規正法」の内容をも含んだものとなっています。

で、Sec.439(a)(Sec.はsectionのこと、「条」だったと思います)に当該項目が規定されています。
FEDERAL ELECTION CAMPAIGN LAWS(PDF)
の56(PDF上は70)頁にあります。

まず、使っても構わない用途((a) Permitted uses.)ですが、

(1) for otherwise authorized expenditures in connection with the campaign for Federal office of the candidate or individual;
(例によって意訳です。)
候補者または個人による、選挙運動に関する正当な支出

(2) for ordinary and necessary expenses incurred in connection with duties of the individual as a holder of Federal office;
 連邦公職者として、個人的職務に関してなされる通常必要な支出

(3) for contributions to an organization described in section 170(c) of the Internal Revenue Code of 1986;
 1986年内国歳入法170条(c)項に規定される組織への寄附
 この「組織」とはいわゆる慈善団体のことです、多分。

(4) for transfers, without limitation, to a national, State, or local committee of a political party;
 政党の全国委員会、州委員会、地方委員会への無制限の寄附(交付金)
 州委員会とか地方委員会というのは我が国での政党支部に該当すると思います。

(5) for donations to State and local candidates subject to the provisions of State law ; or
 州または地方における候補者に対する、法律に反しない寄附

(6) for any other lawful purpose unless prohibited by subsection (b) of this section.
 (b)項により禁止されない、他の合目的な支出

次に使っちゃマズイ項目((b) Prohibited use.)としては、以下の項目が例示されています。

(A) a home mortgage, rent, or utility payment;
 自宅の住宅ローン、その他の費用(おそらく電気料金とか地代家賃の類か?)

(B) a clothing purchase;
 衣服の購入

(C) a noncampaign- related automobile expense;
 選挙運動に関連しない車諸経費

(D) a country club membership;
 カントリークラブの会費
 ゴルフに限らずロータリークラブの会費もその範疇に入りそうですね。

(E) a vacation or other noncampaign-related trip;
 休暇または選挙運動に関連しない旅行

(F) a household food item;
 家庭用の食費

(G) a tuition payment;
 授業料の支払

(H) admission to a sporting event, concert, theater, or other form of entertainment not associated with an election campaign; and
 スポーツ、コンサート、劇場、その他選挙運動に関連しない娯楽の入場料

(I) dues, fees, and other payments to a health club or recreational facility.
 ヘルスクラブやレクレーション施設の料金や会費、その他の支出

(b)項の禁止項目を見ますと、いずこの国も同じ、ということで笑えます。
これらの項目が法律の条文にあるということは、こんなことをやらかす沢山の輩がいた、ということに他なりません。
我が国の政治資金規正法や公職選挙法にも、同様な明文の規定を入れるべきかもしれませんね。

少しは、政治家の皆さんにも自覚が生まれる、かもしれません。全員がやっているとは言いませんがね。

我が国の政治・選挙関連法にはやや飽きが来たので、今後はアメリカの法律に目を向けるとしますか。



参考までにSec.439(a)全文を。

§ 439a. Use of contributed amounts for certain purposes (注1)
(a) Permitted uses. A contribution accepted by a candidate, and any other donation received by an individual as support for activities of the individual as a holder of Federal office, may be used by the candidate or individual—
(1) for otherwise authorized expenditures in connection with the campaign for Federal office of the candidate or individual;
(2) for ordinary and necessary expenses incurred in connection with duties of the individual as a holder of Federal office;
(3) for contributions to an organization described in section 170(c) of the Internal Revenue Code of 1986;
(4) for transfers, without limitation, to a national, State, or local committee of a political party;
(5) for donations to State and local candidates subject to the provisions of State law ; or
(6) for any other lawful purpose unless prohibited by subsection (b) of this section.
(b) Prohibited use.
(1) In general. A contribution or donation described in subsection (a) shall not be converted by any person to personal use.
(2) Conversion. For the purposes of paragraph (1), a contribution or donation shall be considered to be converted to personal use if the contribution or amount is used to fulfill any commitment, obligation, or expense of a person that would exist irrespective of the candidate’s election campaign or individual’s duties as a holder of Federal office, including—
(A) a home mortgage, rent, or utility payment;
(B) a clothing purchase;
(C) a noncampaign- related automobile expense;
(D) a country club membership;
(E) a vacation or other noncampaign-related trip;
(F) a household food item;
(G) a tuition payment;
(H) admission to a sporting event, concert, theater, or other form of entertainment not associated with an election campaign; and
(I) dues, fees, and other payments to a health club or recreational facility.

注1です。

Section 301 of the Bipartisan Campaign Reform Act of 2002 (BCRA), Pub. L. No. 107-
155, revised section 439a to insert replacement language. This amendment is effective as of November 6, 2002. Section 532, Division H, Title V of the Consolidated Appropriations Act of 2005, Pub. L. No. 108-447, further amended section 439a to add paragraphs (a)(5) and (a)(6). This amendment was signed into law on December 8, 2004.

政治資金チェック機関の設置

  • 2007.09.27 Thursday
  • 19:37
お断り
過去の「政治資金あれこれ」における「政治資金と税」に関する文章は、いったん非公開にしました。

さて、今日の日経(私の所は13版の2面、社説のすぐ左、です)に、
政治資金の収支チェック
     第三者機関、国会に設置 自民が検討

という見出しが躍っていました。
以下、引用しますと、

自民党は二十六日、政治資金の透明化策について、収支をチェックする第三者機関を国会に設置する方向で検討に入った。政治団体に経常経費など「一円以上」の領収証の保管を義務付ける一方、公開は避け、第三者機関にチェックを委ねる方式にする。


福田康夫首相は同日、自民党の伊吹文明幹事長と会談し、政治資金について民間並みの透明性を確保するよう指示、
(以下、略)

趣旨;政治資金の透明化は望ましいことですが、
えっ、公開は避ける!?、保管だけ義務付ける!?
しかも命じた相手が、約4000万円の事務所費計上で世間を賑わせた前文部科学大臣とは、

さすがシニカルなコメントで有名な総理のやられることですね。

でも、まさかブラックジョークじゃないでしょうね。

第三者機関は公認会計士などの専門家で構成。

されるそうですが、どこまでやれるか見ものですね。
政権維持のためのピエロにならないことを、真の政治資金透明化につながることを期待したいものです。


 

政治資金の使い込み;約1480万円!!

  • 2007.09.21 Friday
  • 11:17
7月決算法人の申告準備で滞っています。
一日中モニターとニラメッコしてますんで、目の養生のためブログまで回りません。申し訳ないです。

今朝の日経社会面の隅にベタ記事が。

「職員の私的流用1480万円」

以前当ブログでご紹介した際には事務所名は明記しませんでしたが、塩崎恭久前官房長官の事務所です。
自民党愛媛県第1選挙区支部ということですが、おそらく議員本人の資金管理団体とかその他の政治団体の事務所所在地も同じ場所になっているかもしれません。

それはともかく、使い込みをした元事務所職員、2004年、2006年にもやっていて、合計1480万円余に達したそうです。
大きい額ですね。

日経によりますと、
塩崎氏は「管理監督責任は免れない。チェックが機能していなかった。外部の目も入れたチェックの仕組みを作りたい」と述べた。

ということですが、
ま、ほとんどの議員事務所がそんなものでしょう。

普通の感覚からすると「そんなバカな!」と仰る方が多いと思いますが、一般企業でもたまには起こります。
銀行員の多額にわたる使い込みも時に紙面を賑わせますよね。
内部牽制システムの構築された銀行でも起こるぐらいですから、ましてやそういうシステムのない議員事務所においては、その気になればいくらでもやれると思います。

ボスへの思い入れがなく、単に給与のために働いている事務所員であれば、いくらでもチャンスはあるでしょうね、実際のところ。
塩崎事務所に限らないと思います、私は。単に表に出ていないだけ、というか、ミットモなくて出せないだけかもしれませんしね。

「外部の目も入れたチェックの仕組みを作りたい」

ということですが、例えば、税理士や会計士に監査を依頼するとしたところで、政治資金規正法や公職選挙法、法人格付与法、その他の関係法令に通暁した者がいるかというと、ほとんどいない、だろうと私は思います。
そんなことやっている暇はないですモン、会計専門家には。毎年変わる税制に対応するだけでも大変なんですから。

アクセス解析で検索語句をチェックしますと、相変わらず政治資金に関する検索が多いですね。
しかも、議員事務所の人間が検索したにしては専門的過ぎる用語が多く見られます。

例えば、
「政治資金パーティ、消費税可否」とか「政治資金パーティ、消費税課税処理」等々。(他にもいっぱいあります)
消費税に関する用語はどうみても会計専門家の使う用語です。
長いこと政治活動に関わり、数多くのいわゆる「秘書」の皆さんを見てきましたが、はっきり申し上げて・・・・・なもんで、
そういう方々が検索されたかというと甚だ疑問です。

おそらく、一連の大騒ぎが原因で議員事務所の依頼を受けた会計専門家の方々が、「よくわからない、とりあえずネットで検索してみよう」ということで検索されているんじゃないかと踏んでいます。

ということは、結構商売になるんじゃないでしょうか。私なんかにも。

税理士や会計士の中に、
実際に政治活動に関わり、かつ、政治資金を集め、収支報告書を作成し、政治関連法に詳しい者がどれぐらいいるのか?
といいますと、
前述したとおり、ほとんどいないだろうと思われますし、それに、もしいたとしても「胡散臭い」世界には関わりたくない、というのがまともな会計専門家だろうと思われます。

一丁やってみますか!
                  でも、なんだかね...

政治資金収支報告書の公表

  • 2007.09.15 Saturday
  • 12:23
2006年分の政治資金収支報告書と政党交付金使途報告書が昨日の官報で公表されました。
もちろん、総務省所管分ですが。

総務省所管分というのは、政治資金規正法第6条2号及び3号に係る政治団体等に関する分です。

第6条
 政治団体は、(中略)その旨その他政令で定める事項を、次の各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に届け出なければならない。
 1.都道府県の区域において主としてその活動を行う政治団体(政党及び政治資金団体を除く。次号において同じ。)
  主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会
 2.2以上の都道府県の区域にわたり、又は主たる事務所の所在地の都道府県の区域外の地域において、主としてその活動を行う政治団体
  主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会を経て総務大臣
 3.政党及び政治資金団体
  主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会を経て総務大臣

一連の騒ぎを受けて少しはまともな報告に近づいたようですが、さて?

例の文部科学大臣の事務所費は役3,335万円余りと、2005年分より800万円余り減少していますが、
「京都にある2ヶ所の事務所家賃や駐車場賃料との合算」(15日付日経新聞社会面西13版)

とのこと、そんなにかかるもんかな? 

あと目を引いたのが、元国土交通事務次官の参議院議員の資金管理団体の件。
報告書には寄附者の職業を書くようになっていますが、国土交通省の現役幹部や同省OBからの献金について、職業を「会社員」としていたという件です。
ま、よくありがちなことで、事務所側が、
「一律に会社員としてしまった。すべて訂正する」(同上)

と説明したのに対して、同記事が、
「収支報告書に事実と異なる記載をした場合、政治資金規正法に抵触する可能性があり、違反すれば五年以下の禁固、百万円以下の罰金が科せられる。」(同上)

と指摘した点が目を引きました。

従来、上記のような指摘は私は見たことがありません(単に見外しただけかもしれませんが)。
政治資金収支報告書を見る記者の目も厳しくなりつつあるようです。
実によいことだと考えますが、作成する側は大変でしょうね。どんぶり勘定はもはや通らないということですから。

日経によりますと、総務省への政治資金収支報告書に係る訂正額が急増しているそうです。
総務省の統計によると、2004年の275件が過去最高だったそうですが、今年度は9月4日時点で399件(前年比155%)となっているそうです。
記事も指摘していますが、収支報告書に瑕疵があれば大臣の椅子から転げ落ちる昨今、どの事務所も大変な思いをしていることでしょう。

これも構造改革(?)に伴う痛みでしょうか、
せっかくの機会ですから、少なくとも法の趣旨に適合した政治資金の管理と運用、そして報告を実現していただきたいものです。



ところで、地元のローカル紙に「雑草」という「社説」みたいな記事がありますが、昨日の雑草子(一応署名入りですが)は、
「ヒトの老化現象は視力から始まる」から始まって「DHA」や「EPA」の解説を経て、
「安部座長率いる「劇団死期」にようやく幕が下りた。」とした上で最後に、
「政治家の頭の良くなるクスリはないか。」
と結んでいました。

よほど頭の良い方なんでしょうね、でないとこんな文章は書けないでしょうから。
というか、そんなことはどうでもよいことであって、問題は、
「頭の良くなるクスリ」を必要とするような「政治家」を選択した側への言及がすっぽりと抜け落ちている点です。

これではね。
一種のマヤカシにしか過ぎない文章です。
政治思想が異なる、というよりもそれ以前の問題のような気がしますが、どうでしょう?



政治資金規正法の使われ方。

  • 2007.09.14 Friday
  • 13:09
先日、政治資金規正法はザル法で、罰則規定があるにもかかわらず収支報告書の記載ミスで適用されたことはない、
みたいな事を指摘しましたが、こんな使い方もあるんですね。

2007/09/13-13:54 右翼団体を家宅捜索=光市母子殺害・弁護人脅迫との関連捜査−千葉県警

引用しますと、
千葉県警公安2課と東金署は13日、政治資金規正法違反の疑いで同県東金市の右翼団体「東金山匝塾(とうがねさんそうじゅく)」の事務所などを家宅捜索した。
 同団体は、山口県光市の母子殺害事件に絡む弁護人あての脅迫文などが今年7月、朝日新聞東京本社(東京都中央区)と読売新聞東京本社(千代田区)に送り付けられた際、差出人として記載されていた。


毎日の仕事でのPC使用と、これまた毎日のDVD鑑賞で目を少々酷使しすぎました。(少々酷使、って変ですけど)
そんなわけで、できるだけPCに近づかないようしています。

ではまた

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