危ない「やきいも屋」◆欅稻〇拿个良要経費性−

  • 2008.05.22 Thursday
  • 15:27
さて、「やきいも屋」での売上が1日30万円ということは、月にして900万円、年間約1億円の売上である。

課税庁、まさか、黙って指をくわえて見ているわけではあるまい。
違法な金は国庫に没収されるわけであるが、その前に特別法上の先取特権を行使するのであろうか?
それとも国庫にはいるという点では同質だから特段の措置も取らないのであろうか?

ここらはまだ勉強したことがなくて詳しくないので、ご存知の方がいらっしゃったらご教示願いたい。
因みに、国税徴収法基本通達では、「第2章 国税と他の債権との調整」で詳述している。

で、
違法所得といえども所得であるから課税するとした場合、(もし支払っていたとして)売人への支払い分は経費として認められるかどうか?
という点であるが、
このような「違法支出の必要経費性」について学説は3つに区分される。

公序理論判定説
公序良俗に反する費用を経費として認めることは、結果的に税法が犯罪行為に加担することになり、法的正義の観点から許されない、とする説である。
まあ、ふつうの方には通常受け入れられる説であろう。
例えば、

支出すること自体が犯罪行為に該当するような経費は、所得税法上は法的正義の観点から、その必要経費性を否定することができようが、法人税法上はその支出が収益に対応する原価又は法人の業務の遂行に必要なもの(すなわち企業会計上費用性を有するもの)である限り、その損金性を否定できないものと解される。

中村利雄「法人税の課税所得計算と企業会計()」『税大論叢』15巻80頁

費用収益対応説
特別の規定がない限り費用収益対応の原則により必要経費性を認めるしかないだろう、という考え方である。 
例えば、金子『租税法』(第12版、224頁)では、

わが国の所得税法では、アメリカの内国歳入法典162条のような「通常」の要件が規定されていないから、必要な経費であれば控除が認められると解さざるをえない。したがって、違法ないし不法な支出も、別段の定めがない限り、控除を認められることになる。

なお、同書225頁でも指摘されているように、従来、「脱税工作金」が必要経費に算入されない点については最高裁が判断(決定)を示していたが、
賄賂」の必要経費性については見解が分かれていた。

この件については、平成18年度税制改正において明文で「賄賂」の必要経費性が否定された。
たしか、地元の青色申告会での税制改正の解説のとき、世間話として、この点を説明した覚えがある。

態様判定説
違法支出は必要経費としては認められない、と一概には判断せずに、その行為の性質とか支出の態様によって判断すべきであるという説である。
例えば、
碓井光明「所得税における必要経費」(「所得税法の諸問題」『租税法研究』第3号、1975)では、

他方、所得税法自体の政策を離れて一般的に違法な支出であるとか、違法行為に関連があるとかいう故をもって直ちに控除を否認することに対しては疑問がある。例えば、私法上違法な行為とされているものの中にはむしろ支払者の利益を保護するために違法とされているものもあるのであってそのような場合、支払者に現実の出捐(しゅつえん;支出のこと by reotaro )が存する限り経費控除を認めねばないだろう。

と論じられている。

ということは、もし存在したとして、
「売人へのお手当て」は、

「公序理論判定説」に立てば、経費性は「否定」され、
「費用収益対応説」では、「肯定」、
「態様判定説」では、「ビミョーに肯定?」されることになる。

で、「ショバ代」であるが、

「公序理論判定説」では、やはり「否定」(だろうな)、
「費用収益対応説」では「肯定」、
「態様判定説」では「肯定」される可能性が高い、
と解される。

ただ、支払った相手先が「売上高」に計上していないと、場合によっては困った展開になる可能性もあると思われる。

・調査が入った。
   ↓
・反面調査で相手先にも調査官が出向いた。
   ↓
・売上に計上されていなかった。
   ↓
 ・・・・・・・・・・

これはブログであって論文ではないのでかなり「雑な構成(論理展開)」になっている。
万が一にもそういう方はいないと思うが、本記事を過信されて行動され、
「どう責任を取ってくれるんだ!」
と詰め寄られても困ってしまう。

あくまでも「思考訓練の一環」であるので、顧問税理士にお尋ねされるなどしていただきたい。
(尋ねられたほうは言葉に詰まってしまうだろうが…たぶん)

とにかく、
当方は一切責任を持てないのでよろしくお願いしたい。



次回は、「判例」や「事例」についてサラッと流してみたい。
信じれられない事例が待っている。
乞うご期待である。

危ない「やきいも屋」!−違法支出の必要経費性−

  • 2008.05.20 Tuesday
  • 11:19
人相悪いやきいも男、実は覚醒剤の売人

小学校から10mのところで「やきいも屋」の看板を掲げて屋台を営業していたそうだが、
実は「焼き芋」は販売せず、「覚醒剤」を売っていたそうである。
1日の売上は「30万円」とな。

「2ちゃんねる」に限らず、このランキングに参加中のブログでも紹介されているが、
税理士なんだから」単に事件の紹介に留まらず「所得税」の観点からアプローチしてみたい。

いわゆる「違法支出の必要経費性」に関してである。

アクセス解析を見ると、以前、「ショバ代」の経費性に関してちょこっと書いたため、たまにそのときの記事へのアクセスが散見される。
いまだに「ショバ代」を支払い、当該額を経費にできるかどうかお悩みの方がいらっしゃるとみえる。

今回のニュースに接して、
6名の、いわゆる「売人」への賃金(手数料?)はどのように処理されたか、という疑問が脳裏を掠めた。
こういう事件が発生したとき、課税庁(税務署や国税局、国税庁)は当該人物に対して所得税を課すのであろうか。

1日30万円ということは、月にして900万円、年間約1億円の売上である。
まさか、黙って指をくわえて見ているわけではあるまい。
違法な金は国庫に没収されるわけであるが、その前に特別法上の先取特権を行使するのであろうか?

「ミズキ」が緊張のあまり餌を食べないそうである。
すぐ迎えに行きたいので、続きはまた後で。


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