農事組合法人の設立。

  • 2008.09.17 Wednesday
  • 10:36
数日前、注文しておいた農業関係の書籍が10数冊届いた。
読むだけでも大変そうな量である。

先月だったか、飛び込みで1月以降の決算書(試算表)を作成して欲しいという依頼があった。

よくよく聞いてみると、会社を昨年暮れに設立してそのまんまになっているとのこと。

領収証等の枚数は少ないので、大幅に安価で引き受けたのであるが、
「アチャー!」
という羽目に陥った。

詳しくは書けないのだが、「農事組合法人」である。
「設立届」の控や「定款」を持ってきてもらったが、税務署の分しかないし、また定款認証の形跡なし。

鹿児島県は?
肝付町は?
ということで問い合わせたところ、県は設立届が提出されているとのこと。
しかし、町には出されていない旨。

ヘンである。
県への届は、お隣り鹿屋市まで足を運ばなければならないが、町は地元である。
おまけに作成したのは地元の○○○士、県ののを作成して町のを失念することがあるのだろうか、甚だ疑問である。

最近の役場職員は昔と違ってマシになったのでミスはないと思うのだが。
ただ、以前、といっても20年以上前のことだが、私の住民票が勝手に異動されていたことがある。
また、10年近く前のことだが、従兄弟の土地が私の名義になっていたこともある。

ともかく町へは新たに届けることにした。

で、定款の認証の件であるが、農事組合法人の場合、定款の認証は「不要」なんだそうである。

(知ってました? 同業者の皆さん。)

おまけに、登録免許税(株式会社の場合15万円)も要らないんだそうである。
「農業」ということで優遇されているのである。

で、何故に「アチャー!」という羽目になったかというと、
提出書類、すなわち「設立届」は「税務署」、「県」、「町」への「法人設立届」だけではなかったのである。

「農協法」に基づく行政庁(今回の場合、鹿児島県)への「設立届」も必須だったのである。

農業協同組合法
第72条の16
 農事組合法人を設立するには、3人以上の農民が発起人となることを必要とする。
2 発起人は、共同して、定款を作成し、役員を選任し、その他設立に必要な行為をしなければならない。
3 前項の規定による理事の選任については、第72条の12第4項の規定を準用する。
4 農事組合法人は、成立したときは、成立の日から2週間以内に、登記事項証明書及び定款を添えて、その旨を行政庁に届け出なければならない。

農業協同組合法施行細則
第39条
 法第72条の16第4項の規定による農事組合法人の設立の届出は,別記第54号様式の届出書に次に掲げる書類を添えて,行わなければならない。
(1) 登記事項証明書
(2) 定款
(3) 設立発起人会の議事録抄本
(4) 事業目論見書
(5) 役員の住所,氏名及び経歴の概要を記載した書類
(6) 組合員の住所,氏名及び出資引受口数(現物出資の場合にあっては,その目的たる財産の名称,数量及びこれに対して与える出資口数)を記載した書類

上記「事業目論見書」が厄介である。作成に時間がかかるのである。
いまさら愚痴をこぼしても仕方がないので作成中であるが、何故に、最初に関与した○○○士はちゃんとやってくれなかったんだろうか。

依頼人に確認したところ、県からお尋ねの文書が届いて初めて知ったとの事である。
そりゃそうだ、やったことがなければ税理士でも知らないのだから。
でも、最初に受けた専門家が安易に業務を遂行したが故に、私が余計な仕事を抱え込むことになったのである。

じゃあ、その分しっかりと請求すればいいじゃないか!
ということになるが、フツーの農業従事者がいかに辛酸をなめているか知ってるばかりに、農業を営む方にはほんの少ししか請求できないのである。請求しづらいのである(笑)。

ところで、先ごろご紹介した、
東京近県から都内に進出した古い友人であるが、彼の事務所には専門書が一冊たりとも見当たらなかった。
聞けば、国税庁のサイトで済ませているとのこと。

「でも複雑な事案があるんじゃないの?」
と再度確認したら、
そのようなところは最初から引き受けない、とのことであった。
「なるほどそういう方法もあったか」
と思い知らされた、のであった。

ほとんど実費しか請求しない(できない)ような仕事を引き受けて、関連書籍を10数冊も購入している自分は、
もしかしてアホなんじゃないだろうか?
とも思えてくる。
まあ、いいけどね。

件の「彼」、先日女性を3人雇用していると書いたが、あと2人男性がいるとのこと、
遠くは京都や大阪にまで関与先があるとのことであった。

人口よりも牛や豚の数の方が多いこの地域で、地域内の顧客だけを相手にしている私とは段違いである。

でも、ネコ相手にノンビリと暮らせる此処はなかなか捨てがたい、私には。



人間は嫌いだけどね(笑)。

(知らない方は本気にするかもしれないな、このオチは。)

現物出資資産の定款への記載方法

  • 2008.06.17 Tuesday
  • 13:37
で悩まされている。

例の乳用牛(ホルスタイン)の評価額である。
一応、評価額は決定しているのであるが、定款にどのように書けばいいのか法務局の判断を待っているところである。

もちろん、
登記申請時に添付する、税理士による「現物出資証明書」には各乳用牛の個体識別番号ごとの評価額を記載するつもりであるが、

定款にも同様に記載すべきなのか、
それとも、「現物出資証明書」に詳細が記載されているのであるから、「定款」には「乳用牛○○頭、合計××円」で構わないのではないか。

という点に関してである。

会社の設立は来月でもいいのだが、
電子定款認証をお願いしている行政書士さんの出産予定日まで時間がないため、実は急いでいるのである。

うちのミズキもこの数日中には出産の予定である、関係ないけど。

ところで、
現物出資をやろうとしても旧商法時代には結構ハードルが高くて、考えても無駄みたいなところがあったのであるが、
現行会社法ではかなりやりやすくなった。

なお、「現物出資」とは文字通り「金銭」以外の物(固定資産等)で出資して会社を設立する方法であり、会社法は33条で規定している。

同条によると、現物出資に係る資産の価額が500万円を超えると、裁判所が定める検査役による調査(当然にタダではない)が必要になる。

ただし、
500万円を超えても、一定の場合には検査役の調査が不要となる。
ここで「一定の場合」とは、
弁護士や公認会計士や税理士等が、現物出資財産に関する評価額について証明書を提出した場合である。

第33条
 発起人は、定款に第28条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第30条第1項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し検査役の選任申立てをしなければならない
 (2〜9項省略)

10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない
  ‖28条第1号及び第2号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が500万円を超えない場合 同条第1号及び第2号に掲げる事項
 ◆仝淑出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(証券取引法(昭和23年法律第25号)第2条第1項に規定する有価証券をいい、同条第2項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第28条第1号又は第2号に掲げる事項
  現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和23年法律第103号)第16条の2第5項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第28条第1号又は第2号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。)

11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。
  “起人
 ◆‖28条第2号の財産の譲渡人
  設立時取締役(第38条第1項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第2項第2号に規定する設立時監査役をいう。)
 ぁゞ般海猟篁澆僚菠を受け、その停止の期間を経過しない者
 ァ(杆郢遼/諭監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第1号から第3号までに掲げる者のいずれかに該当するもの

なお、定款記載事項については28条が規定している。

第28条
 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第26条第1項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
  金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称当該財産及びその価額びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第32条第1項第1号において同じ。)
 ◆ヽ式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
  株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
 ぁヽ式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)



最低資本金の枠が撤廃され、現物出資等の要件が緩和された会社法の下では、その気になれば簡単に会社を作ることができるのである。

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