振替納税の領収証書送付取りやめ、について

  • 2017.01.24 Tuesday
  • 23:58
いやあ、すっかりサボってしまいました!
新年の挨拶をサボったのはブログ開設後はじめてでした。

 

さて、年調も終わり、総括表や合計表の提出で多忙極まりない時期になりました。

そして怒涛の確定申告時期へと突入していきます。

 

で、申告に係る個人事業者の振替納税ですが、
今年度から金融機関からの領収証(領収証書)が発行されないこととなりました。

 

正確には、
個人の確定申告だけでなくすべての国税に関して同じ処理がなされます。

 

これは、国の経費節減という観点に立った会計検査院からの指摘に応じたものです。

 

平成26年度決算検査報告の概要

 

国税の口座振替納付に係る領収証書等の調達及び納税者への送付を廃止することにより、口座振替納付に係る経費の節減を図るよう改善させたもの(PDF)

 

上記文書によると7億0128万円の節税になるとのことです。

 

まあ、振替納税すると引落口座の通帳にその旨記載されますので、
特に問題ないかと思います。

 

でも、中にはどうしても領収証が必要な方がいるかもしれません。
その場合には税務署の窓口で証明書を交付してもらうことができますのでご心配なく!

 

振替納税により国税を納付した事実の証明書の交付請求手続

 

証明書、正確には

 

といいます、リンク先をご覧ください。

 

ところで、同制度の廃止による節税効果は抜きにして、

 

「なんでそんな納税者に不利なことをするんだ!?」

 

とかなんとか思い税務署に文句を言いたくなる方がいるかもしれません。

前述したように不利になるとは私は思いませんけどね。笑)

 

でも、税務署に文句を言ったところでどうにもなりません、
全くのお門違い、署員を困らせるだけのことです。

 

何故かと言いますと、
それは会計検査院の法的地位を考えればすぐに判ることです。

 

まず、会計検査院は何をするところかと言いますと、
珍しく条文に「目的」という項目がありませんが、以下の条項により見えてきます。

 

会計検査院法第20条1項
会計検査院は、日本国憲法第九十条 の規定により国の収入支出の決算の検査を行う外、法律に定める会計の検査を行う。

 

第21条
会計検査院は、検査の結果により、国の収入支出の決算を確認する。

 

第29条

日本国憲法第九十条 により作成する検査報告には、左の事項を掲記しなければならない。

1 国の収入支出の決算の確認

  (2−6省略)

7 第三十四条の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項及びその結果

8 第三十六条の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項及びその結果

 

では憲法90条を見てみましょう。

 

日本国憲法第90条

 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。

 

以上要するに、
会計検査院の役目は、国の会計を検査してその結果、すなわち「検査報告」を作成し国会に提出することだと言えます。

 

では他の国の機関に対してどのうような地位にあるかと言いますと、
それは憲法90条2項に規定されています。

 

日本国憲法90条

2 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

 

これを受けて会計検査院法第1条がその地位を具体的に規定しています。

 

会計検査院法第1条1項

 会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。

 

そうなんですよね、会計検査院は三権分立、行政権(内閣)・立法権(国会)・司法権(裁判所)に於いて、
行政府の内閣とは独立した行政機関なんです。

 

もちろん司法や国会の機関でもありません、
ある意味、強大な権限を有する、三権から独立した特別の機関なんです。

 

なので会計検査院に指摘されたら、
最高裁判所だろうが国会だろうが、ましてや行政機関だろうが従わざるを得ないと言えます。

 

そんなわけでして、
振替納税に係る領収証書の送付廃止に関して税務署に文句を言ったところで始まりません。

 

世間知らず?として笑われるのがオチです。
気をつけましょうね。笑)

 

もっとも会計検査院を内閣の一部門であるとか、さらに財務省の一部局であると勘違いしている人も多いようなので、
普通の方がそんなふうに思われても仕方がないかもしれません。

 

少なくとも我々税理士はこれぐらいの知識は持ち合わせているはず、
依頼されている税理士に「どうして?」とお訊ねになればすぐに明快な説明が帰ってくるはずです。

 

解りやすいように噛み砕いたので厳密でない箇所があるかもしれません。
悪しからず

 

久々にも拘らず長文、大変失礼しました。

 

 



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